財務系職種が考えるビジュアル分析のサイクルについて
ビジュアル分析のサイクルについて
私は、学生時代のインターン、社会人になってからもいわゆる〝財務〟に関わる仕事をし続けて来ました。その中で、Tableauと出会い師匠の元で勉強させてもらっています。勉強を始めた契機となったのは社内研修。
その社内研修の序盤でビジュアル分析のサイクルを知り、最近も師匠との会話の中でこのサイクルの重要性について、ディスカッションしました。
財務関連の仕事をしている人間として感じるこのサイクルの考え方について書きたいと思います。
駆け出しのTableauマンではあるものの財務関連の仕事を生業として来た身として一つの考えがあります。行動変容を生まない分析とか情報提供は意味を持たない、ということ。行動変容を生まない分析を時間があれば人件費削るために早く仕事をやめたほうがいいのではないか、というものがあります。極端な意見ですが、どんな分析をしようと、どんな情報提供をしようと何も行動が変わらなければ意味がありません。コーポレート部門は利益を生まないコストセンターです。何も生まないなら、せめてコストを削ることで貢献しろ、と思っています。
Tableauのビジュアル分析のサイクルの図です。
1-6を順番に見ていきたいと思います。
https://help.tableau.com/current/blueprint/ja-jp/bp_cycle_of_visual_analysis.htm
1.TASKについて
行動変容生まない情報提供は意味のある仕事ではないという考えもあり、財務系職種のビジュアル分析は〝質問から始める〟、〝適切な課題を設定する〟ことが分析のほぼ全てではないかと思うくらい重要であると考えています。データ分析に携わる人にとってこの質問対象の設定、精度、キレがその後の成果に最も影響を与えると考えると思いますが、財務系の場合、よりその重要度が高いのではないかと思っています。
財務関連の業務に携わるとお金に関するありとあらゆることが業務の対象・課題の対象です。その中で、限られた意思決定層に情報提供する際にどんな情報をどのような形で提供するか?といった問題意識、着眼点が重要だと思います。あらゆることを分析できる立場であるにも関わらず、行動変容が起きなければ何も変わらないので、付加価値のない業務で終わったしまうわけです。サービス部門である場合、仮に行動変容が起きなくても分析結果をその後の意思決定に応用、背景知識として利用できますが、財務系職種の場合そういった機会はそうそうないため、行動変容にこだわっていきたいと考えています。
2.GET DATAについて
データはあるもののTableauに使いやすい縦持ちのデータになっていないことが多くあると感じています。また、会計データ、ツール特有のエクセル帳票になっていたり、とデータ環境・データベース作りも課題の一つになると考えています。
3.Choose visual mapping
Tableau公式サイトに記載もあるように分析のタイプに応じて適切なビジュアルマッピングを選ぶことが必要です。主要なマッピングとして、次の 5つを公式サイトでは示しています。
対比 (棒として表示)
空間 (マップとして表示)
時間 (線として表示)
2 つのメジャーの比較 (散布図として表示)
細かい数値 (テキスト表として表示)
4.View dataについて
View dataについても公式サイトに下記のような記載があり、質問の設定の重要性を再認識することができます。やはり、適切な課題設定がやはりTableauを使いこなす基礎であるといえます。
Tableau のインターフェイスも、質問から少しずつ答えを浮かび上がらせるプロセスを基にして設計されています。アナリストだけではなく、あらゆる Tableau ユーザーがデータから意味のある情報を引き出し、データに基づいた意思決定を行えるようになります。
5.Develop insightについて
これまでのサイクルの中で抽出した情報の総括と言える営みです。この中で、どんなインサイトを与えるか?によって今後の行動変容に影響を与えるものであると考えています。
一度、導き出した答えに対しても本当に信用に足るものか?行動変容につながる役立つデータになりうるのか?自分自身の先入観、考えの隔たりが影響していないか?しっかりとここで精査していく必要があると考えています。
6.Act(share)について
最後にアクションです。1-5までの営みの集大成であり、ここまできても行動変容に繋げられなければ意味がありません。これまでの営みを行動に変えていくべく、行動への動機付けになる深いインサイトを効果的に伝えていく必要があります。また、行動してほしい当人にそのインサイトを伝えるのか?上司に伝えるのか?伝え方、伝える相手によってもその後の行動が変わってくると思います。会社、組織、風土によっても効果的に伝える相手はことなるかと思いますが、どこの、誰に、どのように伝えるのが効果的な行動変容を生むか意識し伝えていくことが最重要であると思います。
そして、このサイクルはまた質問に戻ります。1-6で行ってきたサイクルを再び回し、より大きな影響力を持たせていくことが重要なポイントであると考えています。
最後に、財務系職種はコストセンターではありますが、適切な分析・情報提供で多くの人の行動変容を生む機会を生むことができる素晴らしい職能であると考えています。であるからこそ、適切な課題設定を継続していくことで組織の大きな行動変容に寄与できる。と信じ日々業務に望んでいきたいと思います。
行動変容を生まないと意味がない、と書きながらこの文章はだれかの行動変化を埋めているのか不安ではありますが、結びといたします。ありがとうございました。