ONIGIRI EKAKI

OnigiriのTableauを中心とするサラリーマンブログです

会計・財務系Vizについて

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3回目のブログとなりますが今回もよろしくお願いします。
現在、本業で会計関連の業務に従事しており、その中でVizを作ろうと思うとかなり苦労しました。今回はそんな会計Vizについて紹介して行きたいと思います。

 

結論:Tableu publicで素敵な会計Vizを見つける

私の場合、師匠から教えていただいた木村さん(@SimplVizBest_YK)さんのVizを真似させていただきました。木村さんご自身も以前Twitterで発言されていましたが、木村さん自身も損益計算書の記載方法を”様式美”と形容されており、元ある会計の形を生かしたVizとなっているものが多く、ご自身の組織でも生かしやすいものでないかと考えています。

 

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会計慣習は深く根付いているため特異なVizになると読者が混乱すると考えています。そういった意味でも会計慣習を生かしたVizを作ることも一つのポイントであると考えています。

 

ここからは具体的にどういったVizを木村さんが作られているか紹介させていただき、その後、私が実務にて真似させていただいた予算実績管理用のPLについて具体的に真似させていただいたテクニックについて紹介させていただきます。

 

(1)現場で使える経理Viz その1 損益計算書(比較PL 予実・実実)

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PL数値の予算実績差分の分析を一目で行うことができます。エクセルでは作ることはほぼないであろうブレッドグラフを用いることで目標達成状況を把握できます。このブレッドグラフで予算、実績を対比する場合狭いスペースで予算、実績の状況を記すことができ比較する項目同士を混同することもなく使いやすいものになっていると考えています。

 

【参考】TableauPublicリンク先

https://public.tableau.com/profile/yoshihito.kimura#!/vizhome/Viz1_16051028022690/1

 

【参考】ブレッドグラフ

https://dev.classmethod.jp/articles/tableau_qualified_associate_bulletgraph/

 

 

(2現場で使える経理Viz その2 経費予実管理

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費用の予算進捗の推移をヒートマップを用いることで把握することができます。

進捗を色で表現しすることで、たくさんの科目の1年分の数値のおおよその状況を一つの画面で把握することができます。色というところで直感的に捉えやすくなっている点が素晴らしいと考えています。

 

【参考】TableauPublicリンク先

https://public.tableau.com/profile/yoshihito.kimura#!/vizhome/Viz2_16051102808840/2

 

 

(3)現場で使える経理Viz その3 事業セグメント収益の増減分析

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また、こちらでは任意のセグメントの収益の対前年実績を知ることができます。

会計・財務系でおなじみのウォーターフォールチャートを用いることで、会計・財務の業務に慣れ親しんだ人にも受け入れてもらいやすいVizを作られています。

 

【参考】TableauPublicリンク先

https://public.tableau.com/profile/yoshihito.kimura#!/vizhome/Viz3_16060657066220/1

 

 

 

(4)現場で使える経理Viz その4 貸借対照表のトレンド分析

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こちらのVizでは過去10年間のBS項目の数値推移を示しています。

また、マウスオーバーすることで科目ごとの詳細情報も見ることができ、単年度の単なる数値ではなく、規模の変動を視覚的に直感的に把握できるVizになっています。

 

【参考】TableauPublicリンク先

https://public.tableau.com/profile/yoshihito.kimura#!/vizhome/Viz4_16078865238020/1

 

 

その中で今回は現場で使える経理Viz その1 損益計算書(比較PL 予実・実実)について、自分が真似させてもらったテクニックを具体的に紹介して行きたいと思います。大きく、2つの内容を紹介させていただきます。

  1. データの持ち方
  2. ダッシュボード作りにおけるテクニックについて

 

1.データの持ち方

まずはデータの持ち方です。

会計のデータってtableauで処理するデータ形式になっていない気がします。会計データってエクセル管理をしていることがほとんどですよね。そのデータはだいたいTableauとは相性が良くなく、独力で作ろうとした際に非常に苦労しました。publicを使いデータソースをみるとその問題が解決します。

Tableau publicのデータソース、データの持ち方を準備してしまえば、近しいビズは再現できると言えます。

 

具体的にはこのようにボタンを押下していくことでデータを見ることができます。

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今回のVizでは、ほぼ最終数値を基礎データとして取り込みViz化されています。投入データ上でここまでの数値を成形して取り込むことでTableu上では計算等複雑なことを行うことなくシンプルにVizに取り込むことができると思います。この形をベースに自分の使いたい形を付けたり外したりしていくことで理想のVizに近づいていきます。

 

2.ダッシュボード作りにおけるテクニックについて

 

次にダッシュボード作成の際のテクニックについてです。こちらのVizですが5つのシートで構成されています。

 

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1つ目のシートがこちらのトップのに記載されている大項目の数値の進捗状況を示しているこちらです。こちらの数値で全体感を把握することがきます。

 

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科目、金額、進捗率をパーセント表示させています。

こちら数値のベタ打ちではなく、数値を引用している形になっているため、元データを更新していくことでTableau上の数値も更新されるようになっています。この中で科目はフィルターをかけることで表示される項目を選択し、数値も科目の各数値、進捗率の文字の大きさを調整することで、重要となる情報を見やすい形で示しています。

 

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次にこちらのPL科目の科目と数値部分です。

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こちらのVizですが、元データの中で表示順を指定し、予算・実績・予実差も元データで準備することでTableau上での複雑な処理を行わないようにしています。

初めてVizを作る際にこの辺の数値をTableau上で作ろうとしたため最初は非常に苦しみました。

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 最後に紹介したいテクニックはブレッドグラフです。

実績を棒グラフの実線、予算金額を灰色の薄いグラフで表現しています。

こうすることで異なった科目同士の実績と予算を比較することがなくなり、各科目ごとの数値を見間違えることがなくなること、また狭い範囲で実績・予算と2つの数値を把握できると思います。

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 また、元データで順番を入れいているため、文字、実数で示したシートの順番と棒グラフの表示の順番が合うことで別シートで作成した数値でもダッシュボード上で同じ順番で隣り合って数値を見ることができます。

 

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【参考】ブレッドグラフ

https://dev.classmethod.jp/articles/tableau_qualified_associate_bulletgraph/

 

 最後に

そもそも、会計情報は綺麗にならんでることがほとんどです。

木村さんのおっしゃる通り様式美です。過去から積み上げてきたものがあり、商慣習にあわせて形をかえて残ってきたものと私は考えています。

そのため、会計Vizの基本は様式を崩しすぎることは形式の性格、見る人も長年会計情報を見てきているのであまりかえない方が良いと考えています。

しかし、ビズを使って表現する以上、見せたいメッセージがあると思います。カッコつけたビズを作ることに目がいっていましたが、それは作り手である私のエゴでそのメッセージを伝える部分をビジュアル化することが重要かと考えられるようになりました。

そういった意味で木村さんのVizは強調したい点、見せたいメッセージをうまく伝えるためにどう作っていくか、という気づきを得ることができました。会計Vizを作るなかで困りごとを抱えている皆さんに届くことを祈っています。Vizの引用を快諾してくださいました木村さん、ありがとうございました。

今回もありがとうございました。